2013年01月10日

お会いしたことはない方だが・・・

同業者批判になるので、なるべく冷静を心がけるつもりだが・・・
これはちょっとひどい。

竹内社労士事務所
http://www.e-shacho.net/

東京会豊島支部会員らしい。

しきりに「就業規則は会社の憲法」と主張しているが、憲法の意味(憲法は政府が国民を縛る道具ではなく、国民が政府を縛る道具である)を理解していないと自ら暴露しているようなものである(社労士試験に憲法はない)。

これだから、社労士は「層として見た時に紛争解決力がない」「無知無能ゆえに徒に事態を紛糾させる」日本労働弁護団から指摘をされてしまう。同業者として恥ずかしい。

一番気になったのがコレ↓。
http://www.e-shacho.net/seminar/kisoku03.htm


当事務所のベストヒットセミナー「会社を守る就業規則」徹底解説セミナーの最新版です。

竹内社労士事務所の代表である私が、私自身と事務所を守るために作り上げた「竹内社労士事務所の就業規則」のすべてを公開します。就業規則の作成または見直しにあたって、絶対に他では手に入れることのできない、労使紛争の現場で修得した知恵の結晶です。

私はこれまで、就業規則は「会社の憲法」なのだと言い続けてきました。

労働者保護の法律が乱立する中、会社を守るためには、100%経営者側の視点に立った「会社を守る就業規則」を作成しておくことが最も重要なのだと、毎日のようにクライアントに指導させていただき、既に1,200社を超える就業規則もお作りしてきました。

しかし、1つ重大な忘れ物に気付きました。当事務所の就業規則の見直しです。これは大問題です。医者の不用心とはまさにこのことです。

しつこいようですが、当事務所は開業以来15年間、100%使用者側の立場に立って、解雇や残業代の問題、労働組合対策、労働基準監督署の是正勧告など、様々な労働問題解決のためのコンサルティングを業務の柱としてきました。「社長を守る会」をはじめ、労使紛争系に強い社労士事務所として、それなりの評価もいただいています。自慢したいのではありません。

ここで皆様想像していただきたいのです。
もし、当事務所の社員が豹変して、私に反旗を翻したとしたら・・・

私は、とても恐ろしくて想像したくもありません。


大変失礼ですが、いつも皆様からご相談いただく、素行の悪い不良社員や問題社員などを相手にするのとは事情が違うのです。うちの社員は労働法に精通した労使紛争解決のプロなんです。そのノウハウを逆手に取られたらかなり危険です。敵に回すと一筋縄ではいかないのは想像に難くないと思います。

このことに気付いたとき、私は一瞬蒼ざめ、震え上がりました。

うかうかしてはいられません。私は、私自身、そして事務所を守るために、就業規則の全面改訂に着手しました。とにかく気合を入れて渾身の力を込めて完成させたのが、現在当事務所で運用している就業規則です。

就業規則を作成できる社労士事務所は星の数ほどあるでしょう。しかし、社労士事務所のほとんどは1〜3人程度の規模ですから、そもそも就業規則の作成義務もありません。自社の就業規則など作ったことはないでしょう。使用者側の立場に立った就業規則をどこまで作成できるのかは疑問です。私自身も、スタッフが10人未満の時には、お客様の就業規則を本当に自分のことのように考えることはできていなかったのかもしれません。もしかしたら、会社の経営もしたことのない経営コンサルタントが、経営のウンチクを並べるようなものだったのかもしれません。

しかし、スタッフも20人を超え、目の行き届かないことも出てくると、自分自身の問題として切実に感じられるようになりました。ですから、この就業規則セミナーでは、私が渾身の力を込めて作り上げた就業規則をベースに、条文解説をメインとした実戦的なセミナーにするのが、最も皆様のニーズに近いものになると判断しました。

もちろん、あらゆる業種業態の皆様のお役に立てるよう、いろんな労働形態に沿ったお話しを致します。


自分の事務所職員を敵だ、いつ反乱を起こしてもおかしくないと言い切っている。
おそろしい・・・((((;゚Д゚))))



経営者対労働者という構図だけで物事を見るのは、古いんですよね・・・
少なくとも、こういう人とは仕事はできないと思います。

経営者のエゴ

昔、相談に乗った事例では、リストラされた社員が会社を訴えたら、別の街に新たに会社を作って、一部従業員だけ連れていき、大半の従業員を残して夜逃げしたケースもありました。

勿論、これはクラウンジュエル作戦です。元々の会社を無価値にして逃亡し、新たなところで再スタート!訴えてた元社員は泣き寝入り・・・というパターンでした。

こーいうアンモラルなことをやる経営者も世の中にはいるってことです。

会社の味方、社長を守る会という趣旨は結構なことですが、社労士たるもの、超えてはいけない一線というのがあると思う。社会保険労務士法第1条を思い起こしてみました。

(目的)
第一条  この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。
(社会保険労務士の職責)
第一条の二  社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。



posted by chu_san at 00:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月30日

英語勉強せにゃいかんかな

最近の傾向だけど、英文契約書の作成依頼が時々来ます。
勿論ですが、社会保険労務士の分野で英文契約書です。

具体的には雇用契約書、労働者派遣契約書ね。

最初は、んなもん分かるわけないじゃんww。とか思ってたけど、慣れてくると面白いように文章作成できるよになってきます(それでも英語は苦手ですが)。




日本法令外国語訳データベース(法務省)
http://www.japaneselawtranslation.go.jp/?re=01

↑みたいなHPで、英訳済の主要な法律を検索できます。
例えばだ、


(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。


言わずと知れた労働基準法第1条。
英訳するとこうなる。


(Principle of Working Conditions)
Article 1 Working conditions shall be those which should meet the needs of workers who live lives worthy of human beings.
(2) The standards for working conditions fixed by this Act are minimum standards. Accordingly, parties to labor relationship shall not reduce working conditions with these standards as an excuse and, instead, should endeavour to raise the working conditions.



英語学ぶならコレで!!

posted by chu_san at 00:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

パートさんの雇傭契約書

先日、あった事例なのだけど。

パートタイムさんとの雇傭契約書について、相談があった。
以前は契約書なくて口約束だったんだけど、外部からマズいと指摘を受けて、契約書を作ったらしい。

素人レヴェルの契約書文面なのでチェックをして欲しいという話だった。





原案、早速読ませてもらった。

いやー、マジですかこれは^ ^;

ソッコーで突っ返して、赤ペン入れて、全面改定の刑でした。
これだけで1件5万の報酬だったのだけどね。




パートタイム雇傭契約書の実務でよくある話。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/dl/tp0605-1i.pdf

@則5条要件を満たしているか?
 雇傭契約書は、労働基準法施行規則第5条によって、絶対的記載事項が定められている。
 法定事項を満たしていない契約書はアウト(30万円以下の罰金)である。

 就業規則中に記載がある場合は「就業規則第○条参照」とせねばならない。

Aパートタイム労働法特有の記載事項。
 2008年4月改正(だいぶ前)で、第6条に新たに
 「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」
 を盛り込まねばならなくなった。明示しない場合は10万円以下の過料を課せられてしまう。

 中小企業だと、まだ↑改正が追いついていなくて、旧書式を使ったままのケース多し。
 労基署の立入調査時に是正勧告を喰らうネタになってしまうわけだ。

B社会保険・雇用保険の加入について
 パートさんの場合、週20時間以上で雇用保険、週30時間以上で健康保険・厚生年金が義務である。
 勿論実態はやってない所が多いのだが、念のためチェックだけはせねばなるまい。




パートタイム労働法、意外とチェックが甘いのである。
社労士試験で「すべて努力義務と覚えておけばいい」と受験予備校で指導しているせいか?

正社員の就業規則そのままにしておくと、後々厄介なことになる。
育児休業、介護休業も有とせねばならないからである。

特に↑のうち、Aは要注意である。
だからパート社員就業規則は、別途設けねばならないと言われるわけですよ。




↓の本、社労士を目指す方にオススメです。

posted by chu_san at 00:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

障害者雇用率を守らない教育委員会

障害者雇用:熊本労働局、県教委に勧告 /熊本
(2009年3月29日 毎日新聞 熊本版)

 熊本労働局は27日、障害者の法定雇用率(2・0%)を達成していないとして県教委に是正を勧告した。県教委の障害者雇用計画(3年間)が昨年末で終了したが、達成できなかった。

 労働局によると、昨年末時点の雇用率は1・9%で、法定雇用率達成に9人不足していた。県教委は「勧告を受け止め、是正に向けて努力したい」としている。10年度の教員採用では障害者の特別採用枠を設ける方向で検討している。

 教員免許を持っている障害者は多くはなく、県教委も採用増に苦悩している。熊本県を含め全国で37都道県教委が、労働局から勧告を受けた。


社労士試験の受験生なら誰でも習う、障害者雇用促進法のお話です。参考書だけでは分からない障害者法の実態について、立体的に学んでみましょう。

…障害者雇用促進法では、一般事業主の障害者雇用率が「1.8」、国・地方公共団体や特殊法人が「2.1」、そして都道府県教育委員会等が「2.0」と定められている、で、今度、一般事業主の障害雇用率に関わる、中小企業の特例がなくなる、という話は既出かと思います。

社労士試験的に言えば、障害者雇用率が「1.8」なら56人に一人障害者を雇わねばならない、「2.0」なら50人に一人障害者を雇わねばならない、というのはしっかりと押さえておく話だと思います。

ただ、実際に教育委員会で法定雇用率を満たすことは難しいようで…教員で障害者ってなかなかいない、37都道府県で実質守られていないザル法になっているという、典型的な事例です。

雇う側の立場になればわかりますが、五体満足な人間でなければ事業主は雇いたくはないのです。これは国や地方公共団体であっても同様で、もう少し現実的なやり方はないのかな?とふと思う今日この頃です。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月28日

パワハラ動画が問題に!

遅刻社員に駅で反省文読ませる様子
YouTube公開した社長ブログ炎上

(2008年11月25日 J−CASTニュース)
遅刻した社員が罰として、駅の構内で大声をあげて反省文を読む動画が、都内企業の社長のブログに掲載された。「YouTube(ユーチューブ)」にアップしたものだが、ネット上での公開に「パワハラでは」といった批判的なコメントが相次ぎ、ブログは「炎上」状態に陥っている。ただ、同社は「取材は全面的に断る」としている。

「あらたに目覚まし時計を3つ購入し、計9個にします」

遅刻社員が反省文を読む動画をアップして社長ブログが「炎上」した 問題とされた動画は、貸会議室運営のファーストステップの吉野翔太郎社長のブログ(2008年11月19日付)に掲載された。ブログでは、

「先日遅刻の罰則を決めたのですが。●●さんが3回目の遅刻をしてしまったので、その罰の様子を載せます。駅に一人で行き、駅員に許可をとって撮影してきたものになります」
とした上で、反省文らしきものを大きな声で読み上げる男性を撮影した「YouTube」の動画が掲載されている。この男性は駅構内と思われる場所で「お客さんや社長に多大なご迷惑をおかけしました」「あらたに目覚まし時計を3つ購入し、計9個にします」などと約2分半にわたって読み上げている。

「YouTube」の説明文でも、

「株式会社ファーストステップでは、遅刻の罰の一つとして、駅での反省文の読み上げを行っています。一人で駅に行き、駅員の許可をもらって、行います。その様子です。笑いなどはありません」

と書かれており、動画の再生回数は2008年11月25日昼時点で5万回を超えた。

「遅刻の罰則でおもしろいものがあるようでしたら、募集します」
この動画はインターネット上で大きな反響を呼び、社長のブログのコメント欄には

「罰と虐めの区別が付かない軽率な行動を普通に出来るんですね」
「こんな動画をUpして何になるのですか?会社の為?社員の為??それとも貴方の自己満足??」

といった批判的なコメントが殺到。「パワハラ」を指摘する声も少なくないが、11月21日には「翔太郎」を名乗るユーザーから「意識の問題が大きいですが、意識の向上を図りながら何かしらの対策も必要なのでその一環としての罰則です」と、罰則の説明をしているようなコメントが投稿されている。

しかし、2008年11月24日の同社長のブログでは「遅刻の罰則でおもしろいものがあるようでしたら、募集します」と新たに書かれたこともあり、ブログのコメント欄が罵詈雑言で荒らされる事態に発展。巨大掲示版「2ちゃんねる」でも大きな話題になり、「祭り」状態になっている。

ネット上で罰則を大きく公開した意図は何だったのか。J-CASTニュースでは同社に取材を試みたが「取材は全面的にお断りしている」「とにかく業務内容に関することではないのでお断りさせて頂く」という返答だった。

・株式会社ファーストステップ
・貸会議室革命 FirstStep社長吉野翔太郎の奮闘記

これはイカんでしょ〜。3回遅刻する社員の責任はともかくとして、やり方が幼稚すぎる。遅刻した社員に、公衆の面前の駅構内で大声で反省文を読ませるなんて、しかも面白がって「遅刻の罰で面白いのがあったら募集します」なんてやり方、パワハラ以外の何者でもない。

既にインターネット上では、動画がUPされた11月18日からブログが「炎上」しているようで、YouTubeでも辛辣なコメントが殺到しているようです。

公衆の面前で反省文を読ませた上で、動画をインターネット上にUPする行為自体が、刑法の名誉毀損罪に該当する虞があります。当然ですが当該社員からの損害賠償請求もあり得るでしょう(裁判をやれば、かなりの確率で社員側が勝訴することを意味する)。

あと、駅の許可を得て撮影したと言っていますが、駅員の許可だけで果たして良いものなのか。元の動画では、謝罪文を読み上げる社員はもちろん、周囲の通行人についてもボカシが入れられておらず、肖像権の侵害を行っています。どれだけヤバいことをやっているのか、この社長さんは理解できていないようです。

社長の幼稚な言動によって、遅刻した社員に人権侵害を行っただけではなく、他の真面目な社員にも取引先にも多大な迷惑を掛けた罪は重い。株主(出資者)に対してどうやって説明をするのか。公私混同状態で幼稚な懲罰を加えた代償は余りにもデカすぎました。25歳で社長、しかも勤め人歴7月程度…社長自身の人生経験が「未熟」で勢いだけで独立開業してしまった弊害なんでしょうか。

とにかく、公開された社員は一刻も早く会社を辞めて、社長から賠償金を搾り取るだけ搾り取るべき。就業規則、タイムカード、賃金台帳等の証拠を集めて労基署に駆け込むなり、法務局に人権侵害を申し立てるなり、徹底的に争うべき。これは本当に許せない。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月04日

通達の評判ギザワロスww

名ばかり管理職:舛添厚労相、通達「見直しも」
(2008年9月26日 毎日新聞 東京夕刊)
舛添要一厚生労働相は26日の閣議後会見で、厚労省が今月出した
 「名ばかり管理職」の適用範囲を示した通達に批判が出ていることについて、「(そうした声があるなら)通達の見直し、再検討を指示する」と話し、見直す可能性を示唆した。

 長時間労働を強いられ残業代も支払われない「名ばかり管理職」問題で、厚労省は9日、チェーン展開する小売業などについて管理監督者の範囲を示す通達を出した。しかし「これまでの行政解釈の引き下げに悪用され、名ばかりを増やすだけ」などの批判が相次ぎ、連合も今月末に反対集会を開く。

 舛添厚労相は「賃金水準を下げるような方向で(通達が)働くのなら、見直しなど直ちに対応を取りたい」と話した。

・平成20年9月9日基発第1号
・判断要素

 例の9月上旬に出た通達ですが、何が問題なのか?という話はここではあえて詳しく言及しません。実質的な全労働時間を平均して「パートよりも上回る程度」でOKだったら、そりゃ抵抗を食らって当然でしょうよ。憲法第25条第1項のお話です。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月02日

報復人事

「不正告発で報復人事」 三菱重社員、取り消し申し立て
(2008年9月28日 朝日新聞)
 社内の不正行為を告発したら、仕事を取り上げられ、不当に出向させられたとして、三菱重工業(本社・東京)の男性社員が同社に、出向の取り消しと慰謝料など110万円の支払いを求める労働審判を神戸地裁に申し立てた。男性は「善意の内部告発に対する明らかな報復行為だ」と主張。同社は「業務上の都合によるもので、内部告発とは関係ない」と反論している。

 男性は現在、関連会社に休職派遣(出向)中の西村茂さん(54)=神戸市垂水区。申し立ては8月4日付。

 申立書などによると、西村さんは同社神戸造船所(神戸市兵庫区)に勤めていた04年7月、同造船所の複数の社員が虚偽の実務経験証明書を国土交通省の外郭団体に提出し、「監理技術者」の資格者証を不正に取得したとして、社内のコンプライアンス委員会にメールで通報した。

 その3カ月後、西村さんは設計補助担当を外されて約半年間仕事を与えられず、その後は書類整理などを命じられた。コンプライアンス委員会は04年12月、適正な実務経験を確認できない事例があることを認めた上で、「該当者は監理技術者として起用しない」と西村さんに回答した。

 西村さんは同委員会にこの事実を国交省に報告し、不正取得した資格者証を返すべきだと求めたが、同委員会は拒否。そのため、西村さん自らが05年3月、国交省に通報した。その後、上司から「統一行動がとれない者は会社から出ていってほしい」と退職を迫られたため、同年11月、報道機関にも知らせた。出向を命じられたのは07年6月。仕事は社宅の清掃などだった。

 国交省は06年7月、三菱重工に対して全事業所を対象に調査を指示。その結果、すでに神戸造船所で明らかになっていた28人の他にも、資格者証の取得者のうち約4割に当たる計11事業所の234人が不正取得していた事実が判明した。西村さんは「不正取得の社員を罰せず、告発した公益通報者に不利益になる仕打ちをするのは本末転倒だ」と訴えている。

 三菱重工業神戸造船所は「社員の労務管理や人事異動は本人の適性、能力、事業環境を勘案して、法的にも社会的にも適切に行っている」などと説明している。

 内部告発者を解雇や降格など不利益に扱うことを禁じる公益通報者保護法が06年4月に施行された。今回はそれ以前の通報だったため、適用外という。

 公益通報支援センター(大阪市)事務局長の阪口徳雄弁護士の話 通報は社内から行政庁、報道機関と正当な手順を踏んでいる。いわばモデルケースであり、内容も客観的に真実だったことが証明されている。今回の通報が06年4月の公益通報者保護法の施行前だとしても、労働審判では、その趣旨が当然考慮されるべきであり、企業側の扱いは許される行為ではない。

公益通報者保護法の成立以前だからと言って、こ〜ゆ〜デリカシーのない配置転換をやってはいかんでしょう。出向?出向だったら出向元労働者の同意が必要で、同意なき出向は無効…でも、同意しなかったら解雇するつもりだったんでしょ、三菱重工は。

内部通報者に対して「報復人事をすべきかどうか」という点については、いろいろと議論があるかと思いますが、通報内容を内部で処理解決できなかった点については、残念ながら三菱重工側に非があるとしか思えません。当然でしょう。改善に繋げることができない企業体質、自浄作用のない組織体質だと思われても仕方がない。

…さて、今回の配転命令ですが、会社側が当該出向について、業務必要性を証明できれば有効、証明できなければ無効でしょう。出向により著しく労働条件が低下したとして、それに足るだけの合理性がなくては、単なる嫌がらせ目的ということになるでしょう。

私が仮に三菱重工側に就くのであれば、配転の合理性を立証する為の補強証拠を集めるでしょうね。あとは、労働審判を申し立てた労働者に対して、逆に名誉毀損罪で損害賠償請求訴訟を起こすとか(これをSLAPPと呼ぶのですが)。

労働者側につくのであれば、配転・出向が業務の必要性とは何ら関係のないことを立証する方向性で攻めるでしょう。報復であるという点の会社側の動機について、審判中に追及するでしょうね。

報復人事については、トナミ運輸事件参照です。Googleで調べてみましょう。山のように出てきますよ。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月30日

割増賃金が50%に?

月60時間超で割増率50%=残業代で最終合意−与党(2008年9月25日 共同通信)
 自民・公明両党は25日、国会で継続審議となっている労働基準法改正案を修正し、月60時間を超える残業代の割増率を50%以上に引き上げることで最終合意した。2010年4月の施行を目指すが、中小企業については当面、適用を猶予する。
 現行の労基法は、残業の時間数にかかわらず割増率を一律25%以上と定めている。これまでの改正案は月80時間超について50%への引き上げを提案していたが、80時間は健康へのリスクが高まる「過労死ライン」に当たるため、長時間労働の歯止めとして不十分と判断した。

これ、ようやく合意したのかって感じですが、まだまだ甘いですよ。60時間超じゃなくて45時間超でリミットを敷くべきだと思いますし、中小企業だから猶予するというのも甘すぎるような気がする。というのも、日本の労働法制というのは、他の先進諸国と比べてもあまりにも規制が緩すぎるから。

中国の労働法だと、確か時間外労働が150%、休日労働が200%、法定休暇に労働させると300%の割増賃金を支払わなければならないはずです。EUも軒並み厳しい規制を敷いております。財界からの圧力は承知の上ですが、これくらいにやらなきゃ、ワーキングプアだとか、過労死の問題を解決するだけのプレッシャーにはなりはしませんよ。


posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月23日

廃業したグッドウィルのCM

本日はお彼岸…ということで、いつものように墓参りです。
朝晩はめっきりと涼しくなってきました。

↓はあの廃業したグッドウィルのCMです。

モバイト・ドットコムのCM1


モバイト・ドットコムのCM2


今更ながらですがコワいですね〜。
グッドウィルのCM。

派遣労働というのはヒジョーに不安定でヤバいというのは世の常識ですが、派遣労働という形態に対して「カッコイイ!」というイメージ戦略を行うことで、多くの若者達を派遣労働に駆り立てて、彼らの将来やら可能性を奪ってきたわけです。イメージガールをやっていた巨乳アイドルの森下悠里を攻めるわけにはいきませんが、大変罪なCMだと思いますよ。

「モバイトして来ちゃいました!」なんて具合に温泉に行ったり、南の島に行けるんだったら、アキバ事件なんか起きないでしょ。派遣労働者はいくら稼いだって、データ送信費だとかの名目でビシバシ給与が天引きされて手元には僅かなお金しか残らない。下手すれば借金まで背負わされる。借金で不当に身分拘束された上にコキ使われて、これで余暇なんか楽しめるかっつ〜の。

しかもモバイトドットコムは、悪名高い「日雇い派遣」でしょ?派遣労働というのは企業にとっては雇用の調整弁なんだから、派遣労働者がずーっと一月中働けるという保証はどこにもない。それだけで給料激減→食っていけない→貧乏街道まっしぐらになるのは目に見えている。日雇い派遣なんて、絶対に廃止しなくちゃダメですよ。若年層が潰れてしまっては、日本が潰れてしまう

派遣労働とはそもそも専門的な「技術」を売るのが原則なのだから、CMのような肉体労働や単純労働を派遣労働者に任せて良いという法はない。労働者派遣法を1999年以前に戻して、ヨーロッパ並みの規制を徹底的に敷いた上で、「失われた世代」と呼ばれた世代の失業者達に職業訓練をさせるとか、本気で職業をあっせんするとか、そこまでやらなきゃ絶対にワーキングプアの問題は解決しない。

今回はたまたまCMという視点から取り上げてみましたが…派遣会社のイメージ戦略は本当に恐ろしくなる。彼らはなまじ儲かっていてお金が使える分、企業イメージ向上の為に金をかけるとか、政治家に献金して違法行為を隠蔽するとか、気に入らない会社に名誉毀損訴訟を起こして言論を潰すとか、何でもかんでもやりたい放題できるからなぁ…。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月19日

自己破産する労働者の急増

自己破産した労働者、3分の2が非正規雇用 近畿6府県
(2008年9月4日 朝日新聞)
 多重債務を抱えて自己破産した労働者110人の破産記録を分析したところ、全体の3分の2がパートや派遣など非正規雇用の人だったことが、近畿弁護士会連合会の調べでわかった。うち4割は生活保護基準に満たない低賃金だった。不安定な雇用で働いているワーキングプア(働く貧困層)が、生活苦から借金に頼らざるをえなくなっている実態が裏付けられた格好だ。

 関西6府県の弁護士会がつくる同連合会は、13日に「非正規労働」をテーマに開くシンポジウムで分析結果を発表する。シンポを企画した弁護士15人が最近1年間に扱った自己破産のうち、無職や自営業者を除いた労働者の記録を一人10件程度持ち寄った。

 110人のうち正社員は35%で、残り65%はアルバイト、契約社員、派遣など非正規雇用が占めた。男性は正社員と非正規雇用の割合がほぼ半々だったが、女性は8割が非正規雇用だった。

 賞与や手当などを含む平均月収は20万円以下が72%、10万円以下も34%。非正規雇用に限ると10万円以下は54%を占めており、賃金の低さが際立った。

 平均月収と生活保護基準との関連も調べた。全体の32%は生活保護基準以下の月収しかなく、要保護状態にあった。ただし、生活保護を受給している人はいなかった。

 これを雇用形態別にみると、要保護状態の割合は正社員で15%だったが、非正規雇用だと41%にのぼった。同連合会は、時給の低さや手当の不備、勤務の不安定さなどが影響しているとみている。

 大阪府内の男性(40)は99年、正社員として勤めた会社が経営悪化したため退職。しばらくは退職金やアルバイトでしのいだが、この数年は月収7万〜10万円の日雇い派遣しか働き先がなくなった。男性の場合、家賃分を含む生活保護基準は月12万6千円程度で、当時の月収はこれを下回った。信販会社などから生活費をたびたび借り入れ、滞納家賃を含む借金は約600万円に膨らんだ。昨年、尿管結石でひどい痛みに襲われたが保険証がないため病院にも行けず、自己破産した。

 調査結果を分析した辰巳裕規弁護士は「不安定な雇用におかれた労働者は低賃金のために生活が成り立たず、多重債務に陥りがちになるという構造がはっきりした。最低賃金の底上げや有期雇用の見直しを急ぎ、働く人が借金に頼らずに暮らせる社会にするべきだ」と話している。(永田豊隆)

〈生活保護基準〉 国が毎年、改定している。世帯の人数や年齢、居住地、障害の有無などによって異なる。家賃や医療費を除いた生活保護基準は、大阪市など都市部の場合、33歳・29歳・4歳の親子3人世帯で月16万7千円、68歳の単身者で8万1千円程度が目安となる。年金や仕送りがあればこの額から差し引かれた額が支給されるが、働いて得た収入であれば一定額が控除される。

この記事を読んで、格差社会というのがシャレにならない所まで来ているというのをひしひしと実感。自己破産まで迫られるというのは、労働者側の自助努力とか、自己責任でどうこうしろという問題ではないでしょう。純粋に政治の問題であるような気がします。

自己破産をした場合、俗説で信じられているような「戸籍に傷が付く」ことはありません。別に選挙権が無くなるとか、基本的人権が制限されることはないのです。ただ、当たり前ですがブラックリストに載って5年間は一切借金できませんし、復権を得るまでは特定の職業に就くことが制限されます(社労士も破産すると欠格事由に該当してしまう)。

ワーキングプアというのは底なしであり、一度落ちたら、並みの努力では抜け出すことが不可能です。ホームレスに転落してネットカフェ難民になったら、住民票がなくなって住所も借りられなくなる、定職に就くのもも困難になる、携帯電話の新規契約もできない…。

いつぞやの首相は「再チャレンジ支援」なんて悠長なことを言っていましたが、そんなアリバイ工作的な政策なんかクソの役にも立ちません。職に就いてもまともに給料すら貰えず、自己破産していく人たちが沢山いるという現状を解決するには、労働法制を根本から変えるしかありません。産業革命当時の「弱肉強食的な資本主義」に回帰しつつある現状を変えることが大切なのです。

今までは最低賃金を引き上げることには慎重な立場でしたが、このような記事を見ると、そうも言っていられんかな…と思ってしまいます。賃金が引きあがると雇用が確保できない中小零細企業に対しては補助金を出してでも「最低賃金1000円以上!」を実現するように努力すべきだと思います。派遣業も99年の前面改正以前に戻すべきでしょう。

posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。