2012年03月24日

労働者派遣法改正、今国会で成立へ


労働者派遣法:改正法案、今国会で成立へ
衆院厚生労働委員会は6日の理事懇談会で、継続審議中の労働者派遣法改正案を7日に採決することで合意した。8日にも衆院を通過する。民主、自民、公明3党は製造業派遣の原則禁止など主要部分を削除する修正で合意しており、今国会で成立する見通しとなった。

政府が10年4月に提出した同改正案は、08年秋のリーマン・ショック後に横行した「派遣切り」などを防止するため、製造業派遣や仕事のある時だけ契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止を盛り込んだ。しかし、規制強化による企業経営への悪影響を懸念する自民、公明両党が反発し、成立のめどが立っていなかった。

昨年秋の臨時国会で政府・民主党側は大幅譲歩。製造業や登録型派遣の禁止を見送るほか、違法派遣があった場合に派遣先企業が労働者に労働契約を申し込んでいたものとみなす「みなし雇用制度」の導入も3年後に先送りすることなどで自公両党と合意した。ただ、会期末で時間切れとなり継続審議になった。

同法案には修正後も派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の比率(マージン率)の情報開示の義務化などは盛り込まれる。

http://mainichi.jp/life/job/news/20120307k0000m010037000c.html


正直言って、あまり評価できないですねぇ…。
理由を説明すると長くなるので、ここでは書きませんが。




労働者派遣法という法律は、実務をやれば分かりますが、労働法の中では「異質」です。派遣法を忠実にやろうとすると、労働基準法の趣旨に反するようなことも多々発生してしまうのです。

派遣先が講ずべき措置に関する指針
http://kagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/kagawa-roudoukyoku/jigyousya/9040801-2.pdf

例えば、派遣先が派遣斬りを発動させた時に実施すべきとされる「就業先確保措置」。登録型派遣ならば分かるのですが、特定型派遣だったとしても、関係ナシに発動されます。

特定派遣って、特定労働者派遣事業届出による派遣業…要するに正社員派遣です。派遣元に既に雇用されているので、就業先確保措置なんかやる必要はないわけです。




具体例に置き換えてみましょうか。

Aさんは、ある有名大手会社Xに、SEとして勤務しています。
システムの構築で、Y社のコンピューターセンタに、1年間常駐することになりました。

この場合、派遣元Xと派遣先Yで、労働者派遣基本契約書と個別契約書を締結します。

AさんはX社の正社員SEだから、契約切れても派遣斬りになることはない。
人事異動になるか、別のクライエントの元で働くだけです。

でも、↑の通達では、Yが派遣斬りをした場合は、Aに対して就業先確保の努力をしろ、さもなければ解雇予告手当、休業手当相当の賠償金を支払え、と言ってしまっている。労働者派遣契約書に謳わねば、労働局の立入調査時に、ほぼ確実に是正指導を食らってしまうわけです。

んなことできるわけねえだろが!

と思うわけよ。X社からAさんをヘッドハンティングしろってか?就業先確保措置と称して、他社に転職させろってか?

これって、逆にAさんの雇用を脅かしていることになるわなww。




労働者派遣法、社労士試験では一般常識科目の一つとして、出題されない年も多いのだけど、やればやるほど奥が深いし、労働基準法との矛盾も多数あることに気づきます。

付け焼刃的に作った法律だから、仕方ない面もあるのです。
労基法、職安法との効力関係を整理するのが、我々社労士の仕事でもあるわけですが。

↓の本が、詳しいです。役所の退官者による著書です。

posted by chu_san at 00:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働者派遣法・職業安定法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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