2008年04月08日

中国の社会保障制度

中国の社会保障制度改革と社会統合
(石原享一 著)
中国における社会変動と社会保障制度改革
(劉 暁梅 著)

上記のPDFファイルは読みごたえがあります。
是非とも読んで頂けると有難いです。

中国にも、当然ですが社会保障制度があります。
日本の年金制度にあたるものは養老年金制度と言うそうです。
医療保険制度も、当然ですがございます。

ただ、加入率は…全人口の1割程度という状況
年金制度も医療保険も都市部の住民は加入していますが、農村部では殆ど加入していないどころか、自費医療を強いられている割合は全人口の7割強という、とんでもない状態になっております

経済発展が著しい中国で何故このようなことが発生するのか?タテマエ上は社会主義国家なのに何故国民皆保険・皆年金にできないのか?



1.農村(内陸部)と都市(沿海部)の格差
収入格差が著しすぎて、社会保障制度を統合できない。
統合しようとすると様々な不公平が起こってしまうからです。

譬えるなら、上海の年金とウイグル自治区の年金を統合した場合、上海市民は給付水準が低すぎて不公平になるだろうし、ウイグル自治区の住民にとってはやや高い水準となって就労意欲を削いでしまうかもしれない。

2.タテワリ制度が複雑怪奇
たとえば年金制度は、日本と同じ職域型年金であり、北京△△年金、上海○○年金、といった具合に職域毎に複雑怪奇に分かれています。制度統合に向けて動いてはいるようなのですが、なかなかうまくいかない。

社会保障制度を扱う役所も複雑なタテワリ行政になっており、制度を横断して設計するという状況にはまだないのです。ファイルを読んでいると、その複雑ぶりに驚かされます。

3.人口が多すぎること
日本ですら基礎年金番号の統合に時間がかかり、その時のトラブルによって消えた年金問題が発生しているわけです。日本の10倍の人口を抱える中国では、一人っ子政策等により戸籍すら曖昧な第二子、第三子が多く存在する状況。そのような状況で遍く基礎年金番号、アメリカのような社会保障番号をあてがうことができるのか?

4.法制度の不備
社会保障制度そのものが地方を実施単位としているものがあまりにも多く、条例等で個々の省・自治区が独自に実施要綱を定めてしまうために、全国画一的な法律を制定することが物理的に難しい。



…中国を語る上で、「格差」という問題を避けては通れません。沿海部と内陸部の所得・経済格差はすさまじいものがあります。省(下手をすれば県、郡)を超えたらまるで別の国、というケースもあるのです。中国が経済的に発展していながら、先進国と社会保障協定を結ぶような状況ではない最大の理由がここにあります。

1970年代後半より一人っ子政策(産児制限)を進めてしまった結果、中国は将来、とんでもないスピードで少子高齢化が進むものと思われます。一体どうなってしまうんでしょうか?
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2008年04月07日

東芝の過労自殺・労災認定

東芝社員自殺、妻の日記で労災認定・埼玉
(2008年4月1日 22:15 日本経済新聞)
 東芝の男性社員(当時37)が2001年12月に自殺したのは、仕事による過労でうつになったのが原因であるとして、熊谷労働基準監督署が労災認定したことが1日、分かった。遺族の代理人弁護士によると、同労基署は男性の妻の日記を基に、恒常的に1カ月当たり100時間前後の時間外労働が続いていたことを認定した
 労働時間は通常、社員側と会社側双方の記録を基に認定するが、妻の日記のみで認定されるのは珍しい。東芝は「タイムカードの保存期間が経過した」などとして労働時間の記録を労基署に提出しなかったが、妻は男性の出勤時間や帰宅時間などについて詳細に日記に記録していた。

今回のポイントは「日記」です。会社側は仮にこのような事態に陥った場合、遺族に対してタイムカードの提出を渋るのが常です。午前様があまりにも続くようであれば、毎日の出社時刻・帰宅時刻を日記に克明に記録すると、過重労働の一証拠として採用される可能性が高くなる。これは裁判所に対して提出する証拠としても極めて有効なのです。

日記は本人が書くのも証拠になりますが、できれば家族が書いた方が証拠として採用されやすい。古びた感じの日記を使うと、役所や裁判官の心証が良くなるかもしれない…というテクニックも実際にあります。

労災保険制度が何故できたのか?それは民法第709条・715条の規定…不法行為の規定を補完するためだったのです。労基法第75条〜第82条の災害補償の規定も、元々は不法行為の規定を補完するためにできたものです。

民法の規定を解釈すると、不法行為を行った会社(債務者)の不法行為責任を立証するのは被害者側(債権者)にある、という考え方があります。この考え方を忠実に実行した場合、会社がおいそれとタイムカード等の証拠を遺族に引き渡すはずもありませんので、これでは被害者側(遺族)に不利に働く…ということで、遺族側の立証責任に拠らなくとも一定の基準に該当すれば画一的に補償が受けられる労災保険制度ができたのです

ただ、遺族側の立証責任が全くゼロ、というわけではありません。証拠を残しておかなければ労基署はなかなか動かないというのが実態です。これが労災の認定基準とは別に裁判に移行した場合は、本来の民法の不法行為責任が問われてくるので、やはり遺族側が会社側の不手際を立証する必要が出てくることでしょう。

月100時間以上の時間外労働は、明らかに過労死認定基準に抵触するレベルのお話です。これでは一日の睡眠時間が5時間を確保できなくなる虞が強く、結果として脳疾患・心臓疾患に陥るリスクが数倍に跳ね上がりますので、ヤバいと思ったら家族が証拠を残す、労働者本人に健康診断を勧める、といった対応が必要になってくるでしょう
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2008年04月05日

カーリング型?の新入社員

平成20年度・新入社員のタイプは「カーリング型」
(2008年3月26日 社会経済生産性本部
平成20年度 新入社員のタイプについて

「カーリング型」
冬期オリンピックでおなじみになったカーリング、新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まってしまったりしかねない
また、売り手市場入社組だけに会社への帰属意識は低めで、磨きすぎると目標地点を越えてしまったり、はみだしてしまったりということもあるだろう。就職は楽勝だったかもしれないが、サブプライムローンの問題等の影響により経済の先行きは一気に不透明になった。これからも波乱万丈の試合展開が予想され、安心してはいられない。自分の将来は自分の努力で切り開いていくという、本人の意志(石)が大事になろう。

[*カーリングはストーンと呼ばれる円形の石を、氷上約40メートル先の的(ハウス)に向かって、相手チームと交互に投げ合い得点を競う競技。冬季オリンピックにおける日本女子チームの活躍によって注目された。]

カーリング型とはなかなか面白い譬えです。目標を定め、周囲がやや過保護気味?に配慮をすれば、まっすぐ伸びる即戦力になる。ただ、磨きすぎると増長したり、はみ出したり、伸び悩んだり…取り扱いがなかなか難しそうですね。上司、先輩社員の苦労をお察し申し上げます。

今の世代は売り手市場…というだけでも羨ましいです。私が大学生だった頃は就職氷河期で、自分の本来の志望度合いを下げてまで就職活動をしなければ就職先がなかなか決まらなかった。内定が決まって余裕綽々の友人をよそ目に、確か4年の7月後半まで就活をやっていた記憶がある。

…いかんいかん。また愚痴になってしまった。

当時就活でうまくいかなかった最大の原因は、自身のコミュニケーション能力不足でした。若気の至りというか、あまりにも真面目で純粋すぎた。おかげで柔軟で臨機応変な対応ができなかったのです。若い頃は多かれ少なかれ、理想を求めて突っ走るものですから、周囲は新入社員を温かい目でどうか見守って下さい。
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2008年04月04日

長寿医療制度?

後期高齢者医療制度:不評の名称、
「長寿医療制度」に呼び方変えます−−首相指示

(2008年4月2日 毎日新聞 東京朝刊)
 福田康夫首相は1日の閣僚懇談会で、この日から始まった75歳以上の人全員が加入する後期高齢者医療制度について、「周知不足。ネーミングもよくない」と指摘し、通称を「長寿医療制度」とするよう舛添要一厚生労働相に指示した。厚労、総務両省は新制度の内容を国民に分かりやすく伝えるため、「長寿医療制度実施本部」(本部長・舛添厚労相)の設置を決めた。
 政府は06年の医療制度改革で、65〜74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と位置づけ、新制度の名称も「後期高齢者医療制度」とした。3月20日には「後期高齢者医療制度のお知らせ」と題した3600万部の政府広報を配布したが、年配の人を中心に「勝手に線引きされ失礼だ」「末期と言われた気がする」と批判が続出していた。
 突然の指示のため、パンフレットの差し替えなどはせず、通称を広めることに努めるという。15日に新制度の保険料の年金天引きが始まることをとらえ、野党が医療・年金をセットで批判する構えでいることも、首相の判断に影響を与えたとみられる。

…政治的な話題なので「本質論」は避けますが、制度発足初日から耳障りの良い通称を作ること自体が、制度の根本的矛盾を露呈したようなもので、救いようがない。言い方を変えて本質をぼかしたところで、ナンセンスとしか思えないのは気のせいでしょうか?

私が社労士試験を受験していた当時から、厚生労働白書には「前期高齢者」「後期高齢者」という文字が躍っていました。一体何のこっちゃ?と最初は思っていましたが、社労士試験を受験される方は白書の一言一句に込められた「隠れた意図」を見抜く訓練もしておく必要があるでしょう。
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2008年04月03日

ストレス耐性度チェック(STCL)

ストレス耐性度チェック(STCL)
※↑をクリック

簡易ストレス耐性チェック表です。
暇つぶしに是非とも試してみて下さい。

何故ストレス「耐性」なのか?
ストレス蓄積チェックではないのか?

実は、企業が採用の際に一番気にしているのが、

ストレス耐性!

だからです。特に最近はこの傾向が強い。
過重労働に耐えられる精神力はあるか?
成果主義や労働密度の高い状況に耐えられる精神力はあるか?
といったことが試されるのです。

就職氷河期時に流行った圧迫面接
あれは確かに大問題ですが、理由があったのです。
求職者のストレス耐性を企業側は見ていたのです。

人はストレスを受けると、いろいろな兆候が見られます。

・汗をかく
・目がキョロキョロする
・落ち着きがなくなる
・声が上擦る
・早口になる
・唾液を飲み込む回数が多くなる


企業側の本音としては、ストレス耐性が弱い人は採用したくない!ストレス耐性が弱い社員はなるべく切り捨てたい!という心理が働いているようです。だから、圧迫面接等を行って上記のような身体的な様子を探ったり、社員の“全体の様子”からひそかにストレス耐性を探ることが多いようです。

社労士の自主研究会でも「採用時における求職者のストレス耐性の探り方」なんてことを議論にする方もおられるようです。もちろん企業側に立った見解が多く、「如何にメンタルヘルス不全者を企業に入れないようにするか?」という視点にばかり立っているのです。残念ながら、これがかなり多くの社労士に共通した認識なのです。

このように、社労士でもメンタルヘルスに対する考え方は大きく分かれています。精神疾患やストレスに対して全く無知な方もおられるし、逆にメンタルヘルスに関して非常に造詣の深い方もおられます。社労士以外にカウンセラーとしての仕事を持っておられる方も数多くおられます。

問題なのは、社労士は往々にして企業側に立ってメンタルヘルスに取り組まなくてはならないこと。企業の本音が「ストレス耐性弱い人はお断り」だと、その意向に従わざるを得ない…社労士としてメンタルヘルス問題に取り組んだ時にぶつかる、厳しい現実なのです。

社労士にも「カウンセリング・マインド」が必要なのではないでしょうか。どんな職場であれ、どんな環境であれ、ストレスがたまらない職場は殆どありえませ。医学的に言うと、組織内でメンタル不全者が出現するリスクは、健康か否かに関わらず誰でもほぼ平等にあるのです。それを表面的な指標だけで見極めたところで所詮は対処療法にすぎないと思っております。

「ストレス耐性」という要素は一つの目安にしか過ぎません。
その点はどうか努々忘れることのなきよう…
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2008年04月02日

企業年金も自己責任?

りそな銀退職者訴訟、年金受給の減額認める・東京地裁
(2008年3月27日 NIKKEI)
企業年金の受給額を平均13%減額したのは一方的な不利益変更で無効だとして、りそな銀行の退職者らが、同行と「りそな企業年金基金」に差額支払いなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、請求を棄却した。佐村浩之裁判長は「経営状況が著しく悪化し、減額はやむを得ない」と述べた。
 訴えたのは、同行と前身の大和、あさひ、協和各銀行の1986―2004年の退職者11人。1人当たりの受給額は年約4万―34万円下がったという。
 判決理由で同裁判長は、同行の03年3月期決算は自己資本比率が4%を下回り、公的資金が投入されて事実上国の管理下に置かれていたと指摘。「全受給者の約80%が、厚生年金基金の規約変更に同意している」として減額を認めた。(00:31)

判旨を読まなければ何とも言えませんが、これは財政状況が悪化した企業年金基金が年金給付を減額する際の言い訳として、今後通用する理屈になってしまうかもしれませんね

基金の年金というのは、3階建て部分の年金になります。1階部分は勿論国民年金。これは日本国憲法第25条の生存権に基づいて支給されているので、在職老齢年金に該当しても削ることはできません。2階建て部分は厚生年金は、報酬比例年金と呼ばれる形態ですから、今までの給料額によって変動するのは当然ですし、在職老齢年金で削られることもアリです。

では、基金は…と言うと、これは企業年金という部分で、企業がお金を出して福利厚生で行っている、いわば「任意恩恵的な制度」という解釈がなされているようです。よって、経営破たんで一時期公的資金まで入ってしまっていた状況では、福利厚生が縮小されるのは自明の理。請求が棄却されてしまったのはある意味仕方がなかったのかもしれません。国民からすれば、

「公的資金を入れておいて企業年金を貰おうなんてふとい根性だ!」

となるのかもしれません。

企業年金制度…個人的には奨励したいと思っております。国民年金や厚生年金だけでは如何せん老後は不安だらけ。であれば三階建て部分の年金が貰えることがポイントになります。

ただ、昨今の企業年金基金の財政悪化、解散の流れを見る限りでは、3階建て部分は企業に頼るのではなく、民間の年金保険や生命保険でリスクヘッジする必要、別個に貯蓄して増やす必要があるのかもしれません。自己責任での老後プラン…それはそれで問題点がありありだという気もしますが…。

話は変わりますが、アメリカの年金制度では、年金計算書が毎年誕生日の3月前に送られてきます。そこに書かれていることを「意訳」してみたんですが…日本の年金裁定請求書にこんな文言があったら国民は暴動を起こしかねませんね。


…社会保障制度は、今日の多くのアメリカの老人にとって、所得の大部分を占めています。しかし、社会保障制度は退職後の唯一の稼得手段であることを決して意図していません。そのことはどうか忘れないで下さい。社会保障ではすべてを満たせません。退職後も快適な生活を送るのに十分な貯金、投資、個人年金等も別途必要となってくるでしょう。

…今日、65歳以上のアメリカ人は3600万人いますが、彼らの社会保障制度の年金は、社会保障税を支払うという形で労働者と事業主が折半で負担しています(中略)。すぐに何らかの対策を取らない限り、社会保障制度は、14年後には年金支出の方が税収よりも上回ると予想されています。また、このままだと2042年には社会保障制度の基金の蓄えは枯渇するでしょう65歳以上のアメリカ人は2倍に増え、その人達を支える労働者は十分ではなくなり、1ドル当たりの受給額が73セントに目減りすると予想されています(後略)。



最初から自己責任で貯金せい、年金はアテにするな、だもんな。
…恐るべしっ!自己責任の国アメリカ。
posted by chu_san at 01:00| 埼玉 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 年金相談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月01日

労災隠しは犯罪です!

4月ですね〜桜満開の季節!
…皆さんは既にお花見には行かれましたか?

労災隠しの6割以上は建設業、
厚労省が3月から防止策を強化

(2008年3月25日 Nikkei BP)
厚生労働省は「労災隠し」の防止強化に向けた具体策をまとめ、各都道府県の労働局長に対して通達。2008年3月から強化策に取り組み始めている。社会保険庁との協力体制を築くなど、新たな施策も展開。労働災害の発生状況の把握や被災労働者の保護、違反した事業主に対する指導につなげる。
 労災隠しについては、1991年に旧労働省が「いわゆる労災かくしの排除について」の通達を出して以来、様々な施策を講じているが、送検件数は減っていない。なかでも建設業の送検件数は毎年、全体の6〜7割を占める。例えば2006年の138件のうち、85件は建設業だった。
 こうした状況を踏まえ、防止のための強化策は二つ。一つは、社会保険庁と情報を共有して労災隠しの発見に努める。例えば、被災労働者に対して「労災保険給付の請求の勧奨等」を実施し、労災保険給付の請求を促す。もう一つは、労使関係者から労災隠しの実例や対策事例、要望や提案などを聴取する「労災報告の適正化に関する地方懇談会」の開催だ。(後略)

ほらね、建設業の労災隠しは多いでしょう
元請の労災を使う現場で労災事故が発生した場合、元請の労災保険を使おうものならメリット制で労働保険料が上がってしまうし、労基署に痛い腹を探られるので、元請は嫌がるし、下請は元請から切られることを恐れるので、双方の利害が一致して余計に隠したがるものなのです。ヒジョーに当たり前のことが、統計結果に出ております。

労災隠しの通達…これは平成3年12月5日付基発第687号通達のことだと思いますが(俗に「687号通達」)…では、具体的に労災隠しでは何をするのでしょうか?最も多いパターンは、

「労働者死傷病報告」を労基署に提出しないこと!

ですね。労災事故で怪我人や死人が出た場合は、会社は労基署に「労働者死傷病報告書」を提出しなくてはいけないのです。これを提出することで労災保険の療養補償給付やら休業補償給付申請が可能となるのですが、最初から書類を提出せずに労災事故がなかったようにしてしまう、若しくは軽微な事故だったと書類を改ざんして提出してしまうというわけです。

具体的には、たとえば足の上に鉄板が落ちてきて足の指を骨折する大怪我、歩行困難になった場合に、死傷病報告書を提出せずに>「近くの病院で健康保険で診てもらいなさい。何故怪我をしたのかと聞かれたら、自宅で重い物を運んでいたら足の上に落とした、と答えなさい」ぐらいな感じにするのでしょう。実際はこんな絵に書いたようなパターンばかりではなく、もっと複雑でドロドロしております。

労災隠しは確かに犯罪ですが、単なるメリット制云々等の話だけでは留まらずに、日本の建設業界の元請・下請けとの力関係に代表される様々な問題が複雑に絡んでいて、ここで一概に説明することはできません。私も実家は建設会社でしたから、よ〜く分かるのです。
posted by chu_san at 01:00| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法実務・人事制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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